税務調査について税理士に依頼することのメリット
1 税務調査とは
税金を納付したにもかかわらず、税務調査官から突然通知が来て、税務調査に応じるよう求められることがあります。
税務調査になる割合は、税目によって異なります。
税務調査は、金融機関に取引履歴などの開示を求めるとともに、申告者の自宅を訪問し、何日間かにわたって、自宅にある財産を確認し、申告者に対して質問を行うことにより、実施されます。
調査では、税額が増加するポイントが徹底的に調べられます。このため、税務調査が実施されたうち、9割弱につき、申告漏れが指摘され、修正申告を求められています。
この場合、追加になった本税とともに、過少申告加算税や延滞税を納付する必要もあります。
2 税理士に依頼することのメリット
税務調査への対策としては、事前に、税理士の助けを得て、きちんとした申告書を提出しておくことが重要です。
実際、細部までしっかりと作成された申告書を提出しておくと、税務調査がされなかったり、されたとしても短期間の調査で済んだりすることが多いです。
また、税務調査に先立って、申告書を作成した税理士と打合せをしたり、税理士に税務調査に立ち会ってもらったりすることも、調査に対して適切な返答をするために、大きく役に立つかと思います。
さらに、平成14年以降は、書面添付の制度が設けられました。これは、代理業務を行った税理士が、申告書に、計算事項を記載した書面を添付する制度であり、この場合には、税務調査に先立って、税理士に対して意見聴取が行われます。
これにより、税務調査官は必要な情報を入手する機会を得ますので、調査の期間が短縮され、場合によっては、調査が省略されることがあります。
場合によっては、逆に、税理士の側から、税金を減額できる事情を指摘できることがあります。
調査官は、このような減額事情を指摘してくれないこともあります。
このため、税理士の側から減額事情を指摘できるかどうかによって、大きく結論が分かれてくる可能性があります。