株取引で損失が出た場合の確定申告
1 株取引の損失の取り扱い
株取引を行うと,保有している株式を,取得した時の金額よりも低い金額で売却せざるを得ないことがあります。
このような場合には,株取引で損失が発生することとなります。
株取引で損失が発生した場合には,株取引について所得税が課税されることはありません。
さらに,株取引の損失については,翌年以降の3年間は損失を繰り越すことができます。
このため,損失が発生した翌年以降の3年間に,株取引で利益が出たとしても,すでに発生した損失を差し引くことができ,その分,翌年以降の所得税が軽減されることとなります。
2 損失を翌年以降に繰り越すための手続
このように,株取引の損失を翌年以降に繰り越すためには,必ず,確定申告を行う必要があります。
なお,株取引が源泉徴収ありの特定口座で行われている場合,本来,確定申告は不要とされています。
このような源泉徴収ありの特定口座であっても,損失を翌年以降に繰り越す場合は,確定申告を行う必要があります。
注意をしなければならないのは,損失を翌々年以降に繰り越す場合は,継続して確定申告を行う必要があるということです。
たとえば,損失が発生した翌年には株取引を行っておらず,翌々年に株取引で利益が発生した場合,翌々年の利益から損失を差し引くためには,損失が発生した年だけでなく,その翌年も,その翌々年も,継続して確定申告を行う必要があります。
これらの確定申告をしていなかった場合は,損失の繰り越しを行うことができなくなってしまいますので,忘れずに確定申告を行うようにしましょう。