ふるさと納税の確定申告の方法
1 ふるさと納税と所得税
ふるさと納税を行うと、所得税が軽減される可能性があります。
これは、ふるさと納税が、寄付金(正確な用語は寄附金ですが、ここでは寄付金と記載します)と扱われ、寄付金控除の対象になり、その分、所得金額が減額されることとなるためです。
ここでは、ふるさと納税と確定申告の方法について説明したいと思います。
2 どれくらい所得税が軽減されるか
確定申告時に、毎年のふるさと納税の合計額を算定します。
このふるさと納税の合計額から2000円を差し引いた金額が、寄付金控除として、所得控除の対象になります。
ただし、ふるさと納税の合計額が、総所得金額の40%を超えている場合は、総所得金額の40%から2000円を差し引いた金額が、寄付金控除の対象になります。
寄付金控除については、そのままの金額が所得税が軽減されるわけではありません。
所得税は、所得控除後の所得金額について、所得税率を乗じるとの計算方法により、所得税額が計算されることとなります。
このため、寄付金については、寄付金控除額に所得税率を乗じた金額だけ、所得税が軽減されることとなります。
たとえば、所得税率(限界税率)が23%である場合は、ふるさと納税の合計額から2000円を差し引き、さらに23%を乗じた金額だけ、所得税が軽減されることとなります。
3 確定申告の方法
ふるさと納税について寄付金控除を受けるためには、毎年2月15日から3月15日までの間に、確定申告書を税務署に提出します。
その際には、確定申告書の寄付金控除の欄に、ふるさと納税の合計額(ただし、総所得金額の40%が上限)から2000円を差し引いた金額を記載し、これを控除したあとの所得金額を記載することとなります。
ふるさと納税による所得税軽減を受けたい場合は、このように、寄付金控除を受けることを確定申告書に記載して、税務署に提出する必要があります。
なお、ふるさと納税ワンストップ特例の申請を行っている場合は、確定申告をしなくても、寄付金控除を受けることができるという説明がなされることとなります。
ふるさと納税ワンストップ特例を利用するためには、寄付先の自治体に、個別に、マイナンバー関係書類とともに、申請書を提出している必要があります。
この制度を利用すると、確定申告をしなくても、住民税を軽減してもらうことができます。
他方、所得税につきましては、確定を行わなければ、税額を軽減してもらったり、還付を受けたりすることはできません。
このように、ふるさと納税ワンストップ特例は非常に中途半端な制度であり、所得税について寄付金控除を受けるためには、やはり確定申告が必要ということになりますので、注意が必要です。
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